2004年12月22日 14:33

鬼怒川竹やぶ(そば)

初めて行った店  地図中央の赤い十字が店の位置

◎柏の竹やぶでに8年半修行した人が、平成8年11月に守谷市に開いた店。柏の竹やぶの3日後に行ってみた。

つくば方面から行くと、滝下橋を渡る少し前にある小さな酒屋(田舎のマーケットみたいな店)の角を左に曲がり狭い道を100m位行った先(川に突き当たる右手前、鬼怒川のほとり)に店はあった。途中、看板は少ないもののいくつかあったので何とか迷わず着いた。

柏の店とはかなり異なり、鬼怒川に背を向けて建つ数寄屋造りの純和風の建物だった。

周囲に低めの板塀が巡らしてあり、入口には柏と同じように門があって、草庵のようにも見える。門の暖簾をくぐり、敷地内に足を踏みれると前庭。庭の木々の間の小道を3〜4m程進み鋭角に曲がると、軒下にある渡り廊下風の通路が7〜8mまっすぐ延びてて、正面に玄関扉(上半分がガラスの木製引き戸)があった。門〜玄関までのこの道程が、柏の石段に相当するものなのかも。

玄関扉をガラガラっと開けて入ると、ゆったりしたレジコーナーになってた。左手側の川に沿うようにして大きな窓が設けてある縦長の空間にはテーブル席(4人×4)が並んでて、どの席からも川っぺりの風景がよく見える。左手側は奥がお座敷(2間)で手前に厨房があった。

店内も純和風で、木の質感を生かしたシンプルで上品な雰囲気。大きな窓は外と内とを一体化し、空間以上の広がりが感じられるし、季節によって移り変わる鬼怒川の自然を室内にいながらにして感じることもできそう。

30代くらいの男性が奥から出てきて、テーブル席に案内してくれた。テーブルは表面に彫刻様の凹凸があってちょっとおしゃれ、そんなことを思いつつメニューを見た。

メニューは、

・石臼挽き
 せいろそば¥700
 田舎そば¥800(限定20食)
・おろしそば¥1000
・とろろそば¥1000
・納豆そば¥1000
・鴨つくねそば¥1300
・天せいろそば¥2000
 汁なしそば¥600
・にしんそば¥1500
・天ぷらそば¥2000
・かけそば¥700
・山かけそば¥1000

・鴨せいろ¥2000
・鴨そば¥2000
・そばがき¥1000

◆甘味
・そば蒸しかすてら¥350
・豆乳プリン¥500
・シャーベット¥350

◆うむどん
・もりうむどん¥700
・納豆うむどん¥1000

◆お通し
・玉子焼き¥500(2人前より)
・とうふ¥500
・板わさ¥500
・焼きみそ¥500
・にしん¥800
・葉わさび醤油漬け¥350
・焼きのり350
・ゆば¥450

◆冷酒片口1合
・天狗舞山廃¥1000
・菊姫山廃¥1000

◆4合瓶
・天狗舞山廃¥3500
・菊姫山廃¥3500
・鄙願大吟¥7000
・菊姫大吟¥10000

◆他
・アサヒ¥600
・エビス¥650
・お酒¥800
・リンゴジュース¥400

柏の店と比べ、値段が2割くらいお得になってて、鴨や納豆などのそばがオリジナルで加わってる(柏と同じく、大もりはない。汁なしそば¥600を追加する)。

鴨もいいなぁ…と悩んだが、結局柏店と同じく玉子焼き¥500、そばがき¥1000、石挽き田舎そば¥800、天せいろ¥2000を注文。

柏店とは違い、ここではお茶が出てきた。
ちょっとして料理が運ばれてきた。

玉子焼きは、柏店と同じように全く半熟の部分はなく、適度な火加減、適度な油で焼いてあるって感じの甘みのない味付けのものだった。ただ繊維が柔らかくて、玉子が充分にだし汁を抱えきれてないようで、口の中に入れたときのジューシーさが柏ほどではなかった。玉子を泡立て器で撹拌する時の加減が多かったためなのか。脇にたっぷりおろしが添えてあった。同じ2つ切りの盛り付けだが、柏より少し幅広で縦に短い形で、玉子の色がやや白っぽく焼き色が薄かった。飾りの載ってたもみじの葉っぱは裏返しだった。

そばがきは、浅型の鉢(蓋なし)に盛り付けてあった。柏店のより緑がかっていて色は少し濃かった。茶巾というにはちょっと形がややいびつで、はってある湯の量は少なかった。含んでる空気の粒子の大きさに不揃いがあるようで、柏店のほどのふわふわ感はないものの、口の中でその浮力によって浮き上がるような食感ではんぺんっぽい食感にも似てる。そばがき用のつゆは、口にいれた瞬間生醤油っぽくて、その後甘みが広がるもので、ここもそばがき用とそば用のつゆは別みたい。

その後運ばれてきた石挽く田舎そばは薄緑かかった色の細そばだった。表面がざらざらしてて、短めで食感がかためで、香りはまあまあだった。透明感、風味ともに柏のとはかなり異なり、一般の田舎そばに似た印象なので、柏の殻付きのまま挽いたそば粉ではなく、殻のない玄そばを用いてるのかも。わさびはきめ細かく青さが感じられた。端っこのぺらっとしたそばが混じってるなど、形状的には柏ほど完成度は高くない感じ。

天せいろのつゆは、そばがきのつゆよりまろやかで、柏より甘みが少し強めのよう(温めてなかった)。天ぷらはは、柏と同じく円型の厚みのある海老のかき揚げだったが、中のさいまき海老が衣の中で絡み合ってて(柏では一つずつ丸まってた)食べにくかった。脇に添えてあったのはししとうではなく茄子の天ぷらだった。

そば湯は、ポタージュ状の濃厚なそば湯。予め練った状態のそば粉をスプーンですくって鍋に入れ、そこに湯を入れて泡立て器で良くかき混て作ってたのがチラッと見えた。そばの量はひかえめだったが、この濃厚なそば湯を飲んだらけっこうお腹がふくれた。

厨房で働いてた30代位の男性と女性は店主夫婦かも(接客係の男性は店主の兄弟?)。

途中、赤ちゃん連れの客が入店してきてお座敷席の方に通されてたが、その赤ちゃんの泣き声が店内に響いていた。柏店では「他のお客様に迷惑のかかるお子様お断り」と書いてあったが、ここは表示されてないので家族連れでokなのかも。

立地、雰囲気、作風、メニューなどあちこちに柏店の強い影響は感じられるが、少しづつ違っているので、既に別個な店としての印象が濃い。柏より理解しやすいし、敷居も高くないので、かまえずに風流にそばが食べられそう


↑玄関

↑店内


↑店内


↑テーブル席の窓から見える景色


↑玉子焼き¥500


↑そばがき¥1000


↑石挽き田舎そば¥800


↑天せいろそば¥2000 



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